「潤滑剤を使ってみたいけれど、種類が多くてどれを選べばいいのかわからない」
「性交時に乾燥して痛い。とにかくよく滑るものを選べばいいの?」
女性向けの潤滑剤を探すと、水性、シリコン系、ジェルタイプなどさまざまな製品が見つかります。
しかし、潤滑剤は「よく滑るものなら何でもいい」というわけではありません。
性交時の乾燥や摩擦を減らすことが主な目的ですが、使用する部位やコンドーム、プレジャー用品との組み合わせ、刺激の感じ方なども考えて選ぶ必要があります。
特に40代・50代では、更年期前後の身体の変化によって、以前は必要なかった潤滑剤が必要になることもあります。
この記事では、女性が潤滑剤を選ぶときに確認したいポイントを整理します。
まず確認したいのは「なぜ潤滑剤を使いたいのか」
商品を見る前に、自分が何に困っているのかを整理してみましょう。
たとえば、
・挿入するときに擦れて痛い
・性交の途中で乾いてくる
・以前より濡れにくくなった
・摩擦によるヒリヒリ感がある
・コンドームを使うと摩擦が気になる
といった悩みです。
潤滑剤の主な役割は、性交時の滑りを補って摩擦を減らすことです。
日本産婦人科医会も、性交時の疼痛を軽減する目的で潤滑剤が用いられると説明しています。
一方、性行為をしていないときにも膣や外陰部の乾燥を感じる場合は、性交時の摩擦だけが問題とは限りません。
日常的な乾燥へのケアには膣保湿剤などが使われることもあり、潤滑剤とは目的が異なります。
性交時に使う潤滑剤と、日常的な乾燥に使う膣保湿剤の違いについては、「膣保湿剤と潤滑剤の違いは?目的・使い方と選び方を整理」で詳しく解説しています。

女性向け潤滑剤を選ぶときに確認したい6つのポイント
1.使用する部位が明記されているか
最初に確認したいのは、その製品がどこへの使用を想定しているかです。
「ローション」「ジェル」「保湿ジェル」など、似た名称の商品は数多くありますが、名称だけでは用途を判断できません。
性交時やデリケートゾーンへの使用を目的としているのか、膣周辺への使用が想定されているのかを、商品の説明や使用方法で確認してください。
一般的なボディクリームや化粧品を、滑りそうだからという理由だけで代用するのは避けたほうがよいでしょう。
2.水性・シリコン系などの違いを確認する
潤滑剤にはベースとなる成分によって違いがあります。
代表的なのが水性とシリコン系です。
水性は一般的な選択肢の一つで、洗い流しやすい製品が多い一方、製品や使用状況によっては途中で乾きを感じ、追加が必要になることがあります。
シリコン系は水性とは使用感や持続性が異なります。
ただし、
「水性だから優れている」
「シリコン系なら必ず長持ちする」
と単純に決めるのではなく、実際の商品表示や用途を確認することが重要です。
水性とシリコン系の違いをもう少し詳しく知りたい方に向けて、それぞれの特徴や使い分けについても別の記事で詳しく整理します。

日本産婦人科医会も、潤滑ゼリーには異なるベースの製品があり、製品や使用状況によって刺激や炎症を起こす場合があるため、症状をみながら選択する必要があるとしています。
3.コンドームとの適合性を確認する
コンドームを使用する場合は重要なポイントです。
特にラテックス製コンドームでは、油性の潤滑剤によって素材が弱くなる可能性があります。
NHSも、ラテックス製コンドームには油性潤滑剤を使用せず、水性またはシリコン系の潤滑剤を使用するよう案内しています。
ただし、「水性と書いてあれば何も確認しなくてよい」と考える必要もありません。
使用するコンドームと潤滑剤、それぞれの商品説明を確認するのが確実です。
コンドームと潤滑剤は、組み合わせによって注意が必要です。特にラテックス製コンドームを使用する場合は、潤滑剤の種類だけで判断せず、双方の商品表示を確認してください。
水性・シリコン系・油性の違いや、コンドームと一緒に使うときの確認ポイントは「コンドームと潤滑剤の相性は?水性・シリコン系・油性の違いと選び方」で詳しく解説しています。

4.プレジャー用品との適合性を確認する
プレジャー用品を一緒に使用する場合も、素材との組み合わせを確認します。
潤滑剤とプレジャー用品にはさまざまな素材があるためです。
商品ページやパッケージに対応素材について記載されている場合は、それに従ってください。
判断できない場合は、「たぶん大丈夫だろう」と自己判断するより、メーカーの使用説明を確認するほうが安全です。
5.刺激を感じたら使い続けない
デリケートゾーン用として販売されている製品でも、すべての人に刺激が起きないとは限りません。
使用後に、
・ヒリヒリする
・灼熱感がある
・かゆくなる
・赤みが出る
・痛みが強くなる
といった変化があれば、使用を中止してください。
日本産婦人科医会も、潤滑ゼリーは製品や使用状況によって刺激や炎症を起こす場合があるとしています。
「せっかく買ったから」と我慢して使い続ける必要はありません。
6.「よく滑るか」だけで選ばない
潤滑剤なので滑りやすさは重要です。
しかし、滑りやすさだけを基準にすると、
・使用部位
・コンドームとの適合性
・プレジャー用品との適合性
・自分が刺激を感じないか
・洗い流しやすさや使用感
といった実際の使いやすさを見落としてしまいます。
商品を選ぶときは、「一番滑りそうなもの」を探すより、どのような場面で使うのかを基準に絞り込むほうが選びやすくなります。
選び方を確認したら、実際の商品を見てみる
ここまで確認できたら、次は「どの商品が自分の使い方に近いか」で候補を絞ってみましょう。
まずチューブタイプから比べたい方 → リューブゼリー
女性向けブランドの商品から比べたい方 → iroha MOIST GEL
個包装タイプを選びたい方 → ウェットナチュラル
似た商品でも、使用する部位や目的、コンドームなどとの併用条件は同じとは限りません。容器の形やブランドだけで決めず、自分の使い方に合うかを確認して選びましょう。

初めて選ぶ場合は、「人気だから」という理由だけではなく、使用する部位や用途、コンドームなどとの併用条件を商品説明で確認してから選ぶことが大切です。
定番のチューブタイプから探すなら|リューブゼリー
性交時の潤滑を目的としたジェルを探していて、まず一般的なチューブタイプから比較したい場合の候補です。
購入前には、使用方法・使用部位・併用するコンドームなどとの適合性を商品説明で確認してください。
[楽天市場でリューブゼリーを確認する]
女性向けブランドから探すなら|iroha MOIST GEL
女性向けブランドの商品から選びたい場合には、irohaの潤滑ジェルも比較候補になります。
ブランドイメージだけで判断せず、自分が使用する部位や用途に合っているか、商品説明を確認して選びましょう。
女性向けブランドの商品から比べたい方は、下の商品カードでiroha MOIST GELの容量や商品説明を確認してみましょう。
個包装・使い切りタイプなら|ウェットナチュラル
ボトルやチューブを保管するより、必要なときに使える個包装タイプを選びたい人には、使い切りタイプも選択肢になります。
こちらも使用方法や用途を確認してから使用してください。
[楽天市場でウェットナチュラルを確認する]
40代・50代で潤滑剤が必要になるのは珍しいことではない
「以前は普通に濡れていたのに、最近は潤滑剤がないと痛い」
この変化に戸惑う女性もいるかもしれません。
更年期前後には、エストロゲン低下などに伴って膣や外陰部に変化が起こることがあります。
日本産婦人科医会は、GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)について、膣・外陰部の乾燥、性交痛、灼熱感、排尿症状などがみられる慢性的な状態と説明しています。
更年期になってから性交時の痛みが気になる場合は、「更年期に性交痛が起こるのはなぜ?乾燥・GSMとの関係と対処法」で、乾燥やGSMとの関係を詳しく解説しています。

そして、以前は潤滑剤を必要としなかった人が、更年期前後から必要になることは考えられます。
「濡れにくくなった=気持ちがなくなった」と決めつける必要はありません。
身体側の変化も一つの要因として考えることができます。
潤滑剤を使うことを我慢する必要はない
潤滑剤を使うことに抵抗を感じる人もいます。
「自然に濡れないのはおかしいのでは」
「パートナーに気持ちがないと思われそう」
と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、潤滑剤は性交時の摩擦を減らすための道具です。
乾燥した状態で無理に挿入を続けるより、必要に応じて潤滑剤を使用して摩擦を減らすほうが合理的です。
特に、痛みを我慢しながら性交を続ける必要はありません。
潤滑剤を使っても痛い場合は「商品選び」の問題とは限らない
ここは重要です。
潤滑剤を十分に使っても性交痛が続く場合、
「もっと滑る商品を探そう」
と潤滑剤だけを次々に変更するのは適切ではないことがあります。
更年期前後ではGSMが関係している場合がありますが、性交痛や外陰部の痛みには、それ以外の原因が隠れていることもあります。
日本産婦人科医会は、GSMに似た症状がある場合でも、膀胱炎、カンジダ膣炎、外陰ヘルペス、硬化性苔癬、外陰癌など特定の原因による症状を除外する必要があるとしています。
またNICEでは、更年期に伴う泌尿生殖器症状について、非ホルモン性の保湿剤・潤滑剤だけでなく、症状に応じて膣エストロゲンなどの治療選択肢も示しています。
特に、
・潤滑剤を使っても性交痛が続く
・普段から膣や外陰部が痛い
・強いかゆみや灼熱感がある
・おりものに変化がある
・排尿時に痛みがある
・性交後に出血する
・月経以外の出血がある
・閉経後に出血した
といった場合は、単なる乾燥と決めつけず婦人科へ相談してください。
一方、性交時だけではなく普段から乾燥が気になる場合は、潤滑剤ではなく保湿剤という選択肢もあります。
日常的な乾燥に使う保湿ジェルについては、「デリケートゾーン保湿ジェルはどれを選ぶ?40代・更年期の乾燥ケアを比較」で、使用部位や目的の違いから比較しています

初めて潤滑剤を選ぶなら「自分の使用条件」を先に決める
商品を検索する前に、次の条件を整理すると選びやすくなります。
性交時の乾燥対策として使いたいのか。
コンドームを使うのか。
プレジャー用品を併用するのか。
使用後に洗い流しやすいものがよいのか。
乾きにくさを重視するのか。
刺激を感じた経験があるのか。
この条件を決めてから商品を比較すれば、「口コミが多いから」「人気ランキング1位だから」という理由だけで選ぶ必要がなくなります。
女性向け潤滑剤は、万人に同じ商品が合うものではありません。
自分の使用条件に合っていることが、選ぶうえで重要です。
女性向け潤滑剤は「目的・素材との相性・刺激」で選ぶ
潤滑剤選びで確認したいことを整理すると、
使用する部位と用途が合っているか。
水性やシリコン系などの特徴が自分の使い方に合っているか。
コンドームやプレジャー用品と併用できるか。
使用して刺激が起きないか。
そして、潤滑剤を使っても痛みが続いていないか。
潤滑剤を使っても痛みが続く、使うとヒリヒリする、出血などの症状がある場合は、商品を選び直す前に対応を確認しましょう。潤滑剤で様子を見てもよい場合、使用を中止する場合、婦人科へ相談したい場合を、次の記事で整理しています。

この順番で考えると選びやすくなります。
大切なのは「一番滑る潤滑剤」を探すことではありません。
自分がどんな場面で困っているのかを整理し、その条件に合ったものを選ぶことです。
次に商品を比較するときも、この基準を持っていれば、自分に必要な潤滑剤を絞り込みやすくなります。
性交時だけの乾燥や摩擦への対策を探している場合は、このまま下の商品候補を確認してみましょう。一方、性交時以外にも普段から乾燥が気になる場合は、潤滑剤を選ぶ前に保湿ジェルとの違いを確認してください。

自分の使用条件が整理できたら、実際の商品を比較してみましょう。
初めてならチューブタイプ、女性向けブランドから選びたいならiroha、保管や持ち運びを考えるなら個包装タイプなど、使い方から候補を絞ると選びやすくなります。
※本記事は一般的な健康情報を提供するもので、個別の診断や治療を目的としたものではありません。性交痛や乾燥が続く場合、強い痛み、出血、おりものの異常、排尿時の痛みなどがある場合は医療機関へご相談ください。
参考情報
日本産婦人科医会「低用量エストロゲン療法でも改善しない閉経関連尿路性器症候群(GSM)の管理法は?」 日本産婦人科医会
日本産婦人科医会「GSMの病態」 日本産婦人科医会
日本産婦人科医会「GSMの診断」 日本産婦人科医会
NICE「Menopause: identification and management」 ナイス
日本産婦人科医会「相談されないと対応しない性交痛のケア」 日本産婦人科医会
NHS「Condoms」 NHS
